Windowsユーザのための PostgreSQL 導入活用ガイド」BOOK REVIEW
書評者:石王丸 直大 様

 従来「WINDOWSとデータベース」といえば、同じくマイクロソフト社のACCE SSやSQLServerが頭に浮かび、PC−UNIX環境であるPostgreSQ Lを用いた開発については、従来あまり用いられていなかった。

 とは言え現在、インターネットを用いたアプリケーションシステムは多種多様なプラッ トフォームが混在しているのが実情である。

 オープンソースである優位性を生かして、インターネットサーバであるLINUX上の PostgreSQLをイントラネットのWINDOWSサーバから利用する、と言った 開発案件も現在ではあまり珍しくなくなってきた。

 こういった背景の中、この度、「WINDOWSユーザのためのPostgreSQL 導入活用ガイド」が出版されたと聞いて、非常に興味を持たれた方が多いと思う。

 気になる本書の内容と学習手順は、おおまかに下記の通りである。

1.エミュレータを用いて、WINDOWS上にUNIX環境を構築する。
2.エミュレータ上にPostgreSQLをインストール、設定し、コマンドラインと   GUIツールによる操作、SQLについて学習する。
3.ADO、ACCESS、ASPを用いたアプリケーション制作。
4.TIPSやFAQなど。

 もちろんエミュレータで本格的なシステムを構築するというのは、あまり耳にしないが エミュレータを選択することで、慣れ親しんだWINDOWS環境で学習することが出来 、本書の目的であるPostgreSQL習得に集中できる点が非常に優れている。

 エミュレータに依存したPostgreSQL動作という部分があるものの、本来の仕 様や操作方法については既存の入門書と比較して非常にわかりやすく書かれており、レベ ル感も申し分ないところは特筆すべき点だと言える。

本書を読んだWINDOWSプラットフォームの開発者がPostgreSQLを用いて 、より多くの優秀なシステムを開発してくれる事を特に期待している。




書評者:境川 章一郎 様

入門書籍として
この本はcygwin,postgresqlの二つをはじめて触る人・これからWindowsプラットフォームでの利用に移行する人にとってとてもわかりやすい内容になって います。
さまざまなデータベースを利用してきた人も、この本を読み、学び取っていくこと でオープンソースデータベースを利用する新たなチャンスを生み出す本だと思いま す。

Windowsプラットフォームのみで手軽な開発環境が構築できるように
私は以前、linux上でpostgresql+tomcatを利用したシステム構築をしていましたが、今までの開発環境はwindowsであり、個別にデータベースサーバーや、テスト開発環境などを用意せねばならず 、この本によってwindowsベース稼動するフリーデータベースの選択肢が増えることにより、今までLinuxに抵抗があった人などいままでPostgreSQLの利用に踏み切れなかった方が利用できるようになったのでこれは大変喜ばしいこ とだと思います。

PostgreSQL入門に
データベースを操作するのに必要な知識や実践的な利用方法まで網羅されており、 これからデータベースを使った何かを構築する手法を学べ、データベース初心者か ら中級者までの層をカバーしてあり、一度覚えたことを再度復習の意味で勉強が出 来ました。

Windowsアプリケーション開発に
これまで、PostgreSQLの利用と言えばPHPやJavaからの利用が有名でさまざまな利用がなされ、事例もたくさん出てきていますが、 この本ではASPを利用してPostgreSQLとデータ連携を行う新たな手法が紹介されています。
これは、今までASPで開発し、Accessデータベースを利用してサイトを提供していた人など今までの資産・知識を利用し て新たな形でのシステムが提供できると思い、大変うれしいです。
Accessからの利用では今までアクセスのデータ格納先をPostgreSQLにしてあるだけという形のものが多く見られており、もっといろいろな使い方が出 来るのでは?と考えていましたが、VBによるデータ操作により、今までとは違ったAccessの使い方が出来ると感じられました。 これらを踏まえ、利用方法をさまざまな形に変えることにより、今までフロントエ ンドで使用していたWindowsアプリケーションをもっとデータの加工しやすい形で提供できるようになり、新し い考え方でシステムの導入ができると感じられ、今までPostgreSQLの利用をWebアプリケーションを作るときにしか採択していなかった私にとっては目から鱗の紹 介でした。

よりよい本を目指して
オープンなもので、開発が早いスピードでされ、公開されていく為しかた無いもの かもしれませんが、本の書いてあるままそのまま実行しても動かないものなどあり 、本当の意味で初心者が触れるには少しハードルが高いような気がしました。




書評者:海老名 保 様

 「Windowsユーザのための」と副題にあるように、Windows環境下でPostgreSQLを使用する ための環境設定(Cygwinのインストール)から、PostgreSQL本体のインストールまで細かく 説明がされています。

 Windowsユーザを対象としているため、当然のことですが、ODBC、pgAdminIIやAccessとの リンクテーブルによる連動、またIISを使用したWebアプリケーションの構築と、Windows プラットフォームに依存した技術を駆使し、内容はバラエティに富んでいます。Accessを フロントエンドに持ってくるのは、Windowsユーザには確かに取っ付きやすいと思います。  オブジェクトリレーショナルデータベースに初めて触れる人のために、基本的なSQLの文法の 説明もあり、これ1冊で取り敢えずPostgeSQLを使用してアプリケーションが組めるようになっています。

 Chapter5で軽く継承等が触れられていますが、PostgreSQLのORDBMSたる所なので、もう少し詳しい 説明が欲しいと思いました。紙面の制約もあるため詳細には述べられなかったのでしょうが、

実例が無いのは少し説明不足の感じがしました。

 Linux/Unix環境下で既にPostgreSQLの開発経験はあるが、Windows環境での開発経験が無いと言う人にも、 Accessを利用したマスターメンテナンスの手法やAppendixのCygwin版FAQ等は参考になると思います。

 ただWindows以外のOSに全く触れた事がないユーザに対しては、Cygwin等のインストール手順が 少し表皮的な感じがしました。PostgreSQLを学ぶついでに基本的なUnixのコマンド等もこの本で 覚えたいと考えるのは、少し欲を出し過ぎでしょうか。最近のWindowsユーザはコマンドラインから コマンドを打つ事さえしないので、出来ればもう少し基本的なUnixの説明も欲しいと感じました。




書評者:尾高 保 様

みなさん、こんにちは。尾高です。

このたびは、本書の書評者に選ばれまして光栄に思います。では、何十年ぶりかの読書感想文を。

○ 一読して感じたこと。
若い。何が若いかっていったら、それは文体です。自分にはない言い回しに最初ちょっと世代ギャップを感じたのは、自分がオジサンになってしまったことを改めて自覚させてくれました。それから、ちょっと目次が気持ち悪いかなあ。

○ この本は、どんな本?
要約を箇条書きにすると、
1.「Cygwinと言うもの(Windows上でUNIXアプリケーションを動かすための仕組み)を使って、UNIX向けに書かれているPostgreSQLを、Windowsで動かすための方法を教えてくれる。」
2.「PostgreSQLを使ったことのない人に、PostgreSQLの使い方や機能を教えてくれる。」
3.「(クライアントサーバ型データベースであるPostgreSQLの)クライアントアプリケーションをWindows上に作るために、Windowsでの標準的なデータベース接続の方法であるADOや、おなじみのMicrosoft Accessを使う方法を教えてくれる。」
4.「サンプルアプリケーションを通して、IIS(WindowsのWebサーバー)でASPを使った場合のPostgreSQL応用Webアプリケーションの作成方法を教えてくれる。」
5.「その他、最近のPostgreSQLにまつわるいろいろな情報を教えてくれる。」
本であるといえます。

この中で、私が「ほう」と思ったのは上の2と3の部分です。
ですが、この本の本当のポイントは実は1と5なのですね。それというのは、谷田さんというPostgreSQLとWindowsのエキスパートが「初めてCygwin版の解説を本にした。」「PostgreSQLをWindowsで使うための"あまり多くない"情報をまとめてくれた。」という点こそが本書の価値であるわけです。

それに比べればPostgreSQLの一般的な使い方やADOやAccessの情報などは雑誌などに比較的多く目にすることが出来るわけなんですね。でも、あえて指摘したいのは「このPostgreSQLやADO、Accessの解説の部分が、すごくわかりやすく、使いやすくできている!」と感じたことなんです。

ですから私は、PostgreSQLのふつうの解説書としてもこの本を皆さんにお勧めします。

○ この本は、どんな人に向く?
ズバリ、「PostgreSQLをこれから勉強しようという人」、「Windows上でPostgreSQLのアプリケーションを作ろうと考えている人」にお勧めします。
また、ADOやAccessを「Microsoft製でないデータベースに接続したことのない人」にとっては、"他社製データベースへの接続方法を勉強する良い材料"になると思いますし、Cygwinを使いますので「UNIXに触れたことのない人が"UNIXをいじるきっかけ"にする」ことにも使えると思います。

ただし、「データベースのまったくの初心者」という人には、別にRDBMSやSQLの一般的な解説書が一緒に必要かもしれませんね。

それからPostgreSQLの導入ですが、Cygwinを利用しますので普通のWindowsアプリケーションをSetup.exeからワンタッチでインストールするように簡単なわけではありません。そういう意味では開発者(プログラマー)向けの書籍かなあ、という気はします。

○ 最後に。
微妙に3,000円を切ったお値段といい、"自分のお金で買っていい"PostgreSQLの参考書といって良いのではないでしょうか。(自分はタダで貰っちゃいましたが。)

○ p.s.そして。
この本は、ふつうのWindowsユーザーに対して愛を持って書かれています。(と感じました。)
ふつうのWindowsユーザーってどういう人のことでしょう?実は私自身、マイコン -> パソコン(DOS) -> Windowsと育ってきた筋金入りのWindowsユーザーを自任しています。こう言った人間はUNIXやオープンソースに対して"全くの無関心"か"ある種の感情"を持っていることがあります。この本はそういう人に対しての谷田さんからのメッセージなのではないでしょうか。(ナンチャッテね。)




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